「ひつじがとう」とは、にくがとうグループが手掛ける完全会員制・住所非公開のラム肉専門店だ。
20席以上の座席が揃い、シックな雰囲気のプライベートな空間で食事を楽しめるのが魅力といえる。
入店の条件は既存会員からの紹介のみ。ラム・ヘブンを丸ごと一頭買いしている羊肉専門店だからこそのバラエティに富んだ料理の数々が出迎えてくれる。
「皆さんお待たせしました〜」というカナさんのオープニングコールから今宵の宴がはじまる。
そしてスタッフから丁寧にこの日のコースについての説明が入る。
今回いただけるお肉は、ひつじがとうファームにてこだわり抜いて育てられたホゲット。ちなみにホゲットとは、生後12~24ヵ月の羊肉で、ラムのような柔らかさ、マトンの濃厚な旨味をそれぞれ兼ね備えているのが特徴だ。
メインのトムヤムクン鍋も今から気になるところ。
リニューアルされた飲み放題メニューの説明では、羊肉によく会う米焼酎の紹介も受けた。
一通り説明が終わったらいざ実食!ラムアンド〜「ヘブン!」の掛け声で乾杯をしたあとには、続々、羊肉料理が運ばれてくる。
こだわりの羊肉を堪能!本日のメニューはこちら
「ひつじがとう」では、オーストラリア産、国産羊肉の食べ比べや、味や食感の異なる多様な部位を楽しめる。
ホルモン、焼肉、ラム100%のつくね入りのトムヤムクン鍋まで、充実の料理の数々を堪能できるのが魅力といえよう。
【羊のホルモン焼肉】「タン・ハツ」
「羊の一枚タン」は、羊肉専門店だからこそ手に入れられる希少な部位。羊肉特有の旨味と程よい歯ごたえが特徴的だ。
牛タンとは異なるため、両面よく焼きキツネ色になるまで焼いていただく。
お店の方いわく「塩とニンニクでお召し上がりください」とのこと。しっかりした歯ごたえで、噛めば噛むほど口の中にジュワッと羊の旨味が広がっていく一品。
「羊のハツ」は、他の部位とは異なる歯ごたえが特徴的な部位。味付けには甘醤油がおすすめとのこと。きちんとおすすめを習っていただいてみる。
表面をサッと焼いたハツは、歯ごたえの良さが伝わってくるほど、ぷっくりとしている。おすすめ通りにいただき、羊肉の旨味と甘醤油のベストマッチを楽しむ。
個人的には、お肉にたっぷり甘醤油をつけるのがオススメだ。
【羊の焼肉】「マトン・ロース食べ比べ・5点盛り」
焼肉では、自社農場のひつじがとうファームにて、こだわりを持って育てられた羊を堪能できます。
「羊ランプのさっとレア焼き」は、赤みのランプ肉ならではの濃厚な旨味を感じられる。羊肉特有の香りが薄めなので、食べやすい点も魅力といえる。
こちらもいただくときは甘醤油で。ニンニクを加えても美味しくいただけそうだ。
「羊のロース食べ比べ」は、国産ロースVSオーストラリア産ロースを食べ比べられる一品。(左側が国産、右側がオーストラリア産)
左の国産ロースは、柔らかな肉質で、羊特有の臭みも感じず、まるで牛肉を食べているような気分にさえなる。しかし、脂身部分からは羊特有の旨味をしっかり感じられるため、羊肉の旨みだけを享受したいときにおすすめの逸品。
対して、オーストラリア産ロースは肉質の柔らかさは国産ラムに負けず劣らず。羊特有の味わいを愛する者としてはオーストラリア産の方が強く羊の旨味を感じられるという点で美味しく感じられた。
ただ、羊特有の香りや旨味が苦手な方には国産を推したい。
どちらのお肉も本来の食感やジューシーさを楽しめる、ミディアムレアの焼き加減で食べるのがおすすめ。
「羊部位本日の5点盛り」は、ウデ、ネック、スペアリブ、モモ、外バラの5種類を一度に味わえる贅沢な一品。
「ウデ」は、弾力のある肉質で噛むほど旨味が溢れ出す。ミディアムレアに焼き上げたお肉に絡めた甘醤油とニンニクが旨味を更に引き立てる。
「ネック」は、鶏肉のセセリを彷彿とさせる歯ごたえの良さで、しっかりとした羊の旨味を感じられるため食べ応え抜群だ。お肉と合わせるニンニクを少なめにすることで、より羊の旨味を味わうことが可能だ。
「モモ」は、しっとりしていて柔らかいヒレ肉のような食感を楽しめる。赤身の旨味を存分に楽しめる逸品といえよう。噛むほどに口の中に羊特有の旨味がブワッと口の中にあふれ出してくる!
「スペアリブ」は、あえて七輪の外側に置き、時間をかけて焼き上げるのがおすすめだ。時間をかけて火を通すことで肉が固くならず、焼き鳥の皮のようにモチモチな驚きの焼き上がりになる。
塩&スパイスをつけることで、口の中でとろける程よい脂身のコクや旨味が更に際立つ。
「外バラ」は、脂の乗っていてジューシーなのに、後味はさっぱりしていてしつこさを感じない。羊の味わいはスペアリブよりも濃厚に感じられるため、羊好きの方は必見!
【名物】「飲めるロース・トムヤムクン鍋」
「羊の飲めるロース(1口ごはん特選卵)」は、店員さん直々に焼いてもらえてごはんのセッティングまでしてもらえる至れり尽くせりな一品だ。
まずは卵を割らずに1口。
飲めるロースというネーミング通りに、柔らかい肉から肉汁と旨味が一気にあふれだしてくる。炭火で焼かれたお肉の香ばしさも香りのアクセントに。
続いて卵黄を割ると卵のなめらかな味わいと炭火焼きのラムの香ばしさがベストマッチ。口の中でずっと噛みしめていたくなるようなロースの旨味をダイレクトに感じられる。
「ひつじがとう」の名物料理の一つ「トムヤムクン鍋」は、レモン4つと香りだけでも食欲をそそるスープが入った鍋が運ばれてくる。
「沸騰し始めたらレモン2つを絞ってください」という指示があり、沸騰まで待ち遠しくなる。
羊肉以外にもさまざまな具材が入り、鍋は食べごたえ抜群。
「海老」は、言わずもがな美味しさの塊。「白麗茸(アワビタケ)」はトムヤムクンの出汁がしみしみになり、いつまでも食べ続けたくなる美味しさだ。
「ラム100%つくね」は、羊の旨味を存分に楽しめるジューシーさが特徴。程よい辛さと酸味を兼ね備えたトムヤムクンスープと羊肉のジューシーな肉汁の相性がこんなにいいなんて誰が想像しただろう?
自分には想像できなかったのが悔しいばかりだ。
つくねがふわふわに仕上がるまでは約3分。つくねを入れることで、スープに羊の旨味がプラスされて更に味わい深くなる。
「厚揚げ」は、すぐにでも食べたいところだが「味が入るまでに時間がかかるので最後にお召し上がりください」とアナウンスがあったため、しばしの我慢。
十分に煮込み、スープがしみしみの状態になったあとにアツアツの厚揚げを食べると、口の中に幸せが広がった。
「香味野菜」は、パクチー、空芯菜、九条ネギ、白麗茸、山伏茸の全5種類。特に注目は国産無農薬空芯菜だ。
しゃぶしゃぶ用の羊肉と合わせて食べるため、空芯菜は投入せずに待機。いい香りがするのに入れられないなんて苦行だろうか。
野菜やその他の具材とも相性抜群な「羊ロース」。シャキシャキの空芯菜と合わせて食べるも良し、後述のミルキーな牡蠣に巻いて贅沢な美味しさを味わうのも良し。
牡蠣がテーブルに運ばれてくると「お肉に巻いてお召し上がりください」とスタッフからアナウンスがある。
「それは贅沢すぎないか?」と心の中で思いつつ、指示通りにいただくことにする。
こちらはクリーミーな牡蠣をラム肉で巻いたものだ。クリーミィな牡蠣にラムの味わいが合わさり新しい旨味が爆誕!
鍋の〆はトムヤムクンと相性抜群な「フォー」。運ばれてきたとき耳に入った「おかわり自由」という素晴らしいワードに嬉々とする。
極上のトムヤムクンスープに投入することを想像すると、いくらでも食べられそうなほど食欲を促進される。
鍋に投入したフォーには、今までに海老、牡蠣、羊肉、その他香味野菜の旨味が染み込んできたスープの旨味が染み渡り、美味しさが口の中いっぱいに広がっていく。
味の変化を楽しみたい方は、レモンを絞り、酸味を利かせることで味がキュッと引きしまる。
〆の〆にいただきたいのがデザートの「いちごの練乳がけ」だ。甘酸っぱく爽やかないちごが、食事のフィナーレを鮮やかに締めくくった
お店の基本情報
・完全住所非公開
・完全予約制
・Instagram https://www.instagram.com/hitsujigatou_official/