小田急線東北沢駅から徒歩6分にある完全予約制の高級すし店「鮨 西崎」。世田谷区の住宅街、路地裏に佇む行灯が目印のビルから階段を降りると、まるで茶室をイメージしたような清雅な空間が広がる。
今回は12,000円のランチコースをいただきました。
1品目はアサリの出汁と海苔の茶碗蒸し。あおさの風味と卵の出汁が口に広がると、とてもまろやかで美味しい。ここで大将から「ワサビを入れて食べると相性ばっちり」との声、試してみると、ほのかな辛みが本来の味を引き立たせ、こんなに相性が合うものなのかと感動した。
2品目はイワシの酢の物。筋目にしたイワシと玉ねぎ、人参、ピーマンが入っている。大将曰く、祖父の味をお母さんから受け継いだものをアレンジしたとのこと。家庭の味を再現したことで、好感度アップを狙った1品だという。冗談交えの説明で笑いを誘うお茶目な人柄がとても魅力的だ。
3品目は白バイ貝の酒蒸し。
バイ貝の肝はレバーのような味わいだが、サザエみたいに苦味がなく美味しさが際立つ。鶏レバーのようにねっとりした味わいの肝を楽しむことができた。
お寿司といえば白いシャリのイメージが一般的だが、「鮨 西崎」では白シャリと赤シャリを用意しており、この2種類を魚に合わせて変えるのだという。赤シャリは赤酢と米を混ぜ合わせたもので、白酢よりも香りが強くまろやかな味わいがある。ぜひ白シャリと赤シャリの違いにも注目しながら堪能してほしい。
来店はポケットコンシェルジュからの完全予約制。毎月1日から予約枠が解放される。ディナー帯も楽しめるが、比較的安価で楽しめるランチ帯がおすすめ。客層としては若い女性からマダムまで幅広い年代の女性も多く訪れていた。たまの贅沢な女子会、友人とのご褒美ランチを「鮨 西崎」で堪能してみてはいかがだろうか。
■寿司ネタフォトギャラリー
カスゴダイ
軽い昆布締めされたカスゴダイ。身の柔らかさに沿うよう柔らかく握っているため、崩れないように一気に口に運ばないとほろっと落ちてしまうほど。
白イカ
元々食感がしっかりしているため、噛み切れるよう薄く切ったのを何層も重ねているミルフィーユ形式で提供。お塩とすだちでイカの甘味を楽しめる。
漬けの本マス
あまり生で食べる印象がなく新鮮な感覚。サーモンのような色合いで、絶品。
まだ生きている水だこ
水だこは「みずみずしい」ものと「筋肉質」のものがいるのだそう。これは筋肉質でしっかりとした食感。弾力のある肉質で、お塩とすだちでいただきました。
漬けマグロ
きちんと管理されているマグロの美味しさ。見た目もツヤツヤで酢飯との相性も良し。
中落ちを集めたマグロ
ネギトロよりも大ぶりでシャリも多く、ボリューミーに楽しめる。中落ち美味しすぎる!
コハダ
しっかりした締め方でサッパリとしつつ酸味が効いている。普段のコハダと違う味わい。
クルマ海老
プリップリで美味しい…。身の甘みをとても感じる逸品。火を入れすぎると身が固くなるのだが、一番美味しい火加減で調理されているのがわかる。
藁でいぶしたホタテ
崩れるので手で受け止めた状態でいただく。香ばしさはあるものの燻製とはまた違うお味。藁の煙の香ばしい香りが美味しい。
うに
甘みが強くて臭みがなく食べやすい。
軍艦と違って海苔がなく、うにの味を邪魔するものが何もないため素材の味楽しむことができる。
あん肝巻き
あん肝の味付けは薄く、ポン酢でととのえ、茗荷と大葉で風味づけ。何個でも食べた苦なってしまうたまらないお味。
アナゴ
高級スイーツのようにソースのかけ方も芸術的で繊細。
■ピックアップ「イチオシ玉子はまるでスイーツ!?」
どれも絶品の「鮨 西崎」だが、中でもイチオシしたいのが玉子だ。
素人からすると、寿司屋の玉子は強く惹かれる印象があまりないのだが、ここの玉子はまるでスイートポテトのような濃厚な味わいなのだ。
初めてのテイストに驚きながらも、これはもはやデザートだと思いながらいただいた。全部のお店の玉子がこれならいいのに!と思ってしまうほどの感動と美味しさ。ぜひ堪能してほしい。
■お店の基本情報
◇鮨 西崎
住所:東京都世田谷区北沢5-3-12 ウキウキビルB1
営業時間:18:00〜 20:30〜
定休日:不定休
座席:カウンター7席
完全予約制
https://pocket-concierge.jp/ja/restaurants/245317?seat_date_eq=2023-06-27