茶の湯を堪能?!半年先まで予約が取れない天麩羅茶室|天麩羅がとう OMG

和食

毎度おなじみ「がとうグループ」の新店舗。

メニュー表記が「夏」なのはご愛敬。出てきたのはしっかりと「秋の食材」だった。

一杯目は極みレモンサワーをいただく。

ご案内はマーガレットさん。大変可愛らしいお嬢さんだ。調理担当は桜井シェフ。

天麩羅がとうOMGは、千利休の茶室をイメージした空間を演出している。

塩皿には自家製の塩。利休の茶室の道中の盛り皿を模しているらしい。

天つゆは利休の愛した黒楽茶碗に。

カウンターには小振りな畳が鎮座しており、こちらが天ぷら皿の特注品。陶器でできているとは思えず、触ると意外な質感に驚く。

見た目からは想像できない手触りに思わず笑ってしまう。ここから、天婦羅の宴が始まる。

自家製ごま豆腐

一品目は自家製ごま豆腐。

一口目は何もつけずに。二口目はわさびを添えて。やさしい甘さと胡麻の香りが広がる。

二口目はわさびの辛味が重なり、一気に酒の肴に変わる。第一品目としてふさわしい導入だ。

マーガレットさんから小話

メニューの絵のテーマは「大人のコンビニ」だそう。コンビニにあるものを天ぷらで再現するという試み。季節ごとに内容が変わるという。

大人のかっぱえびせん

なにもつけずに一口。サクサクの衣から海老の旨味がダイレクトにくる。

名にふさわしい完成度。すだちをかければ香りが立ち、味が引き締まる。

車海老の天ぷら

自家製塩をたっぷりつけて食べるよう指示がある。

海老の旨さはもちろんだが、この塩がとにかく美味い。すだちとの相性も抜群。

丸二日かけて仕込むという「手塩にかけた」味とはこのことだ。

ブロッコリーの天ぷら

あえて焦げ目をつけているそう。

何の食べ物を意識しているかというと、答えはグラタン。

確かに、グラタンにブロッコリーは欠かせない。見た目も発想も遊び心がある。

ペコロス(小玉ねぎ)

衣が剥がれやすい繊細な天ぷら。

べったら漬けはおかわり自由。やさしい甘みが大根にしっかり染みている。

ごぼう

味付け済みなのでそのままで。ごぼうの旨味を噛むほどに感じる。

サクサクで、うまい棒のような楽しさすらある。

うに(しそ巻き)

見た目は一般的なシソ天だが、塩水うにを塩抜きしてから自家製塩液に漬けて旨味を凝縮させている。

一口食べれば香り高く、奥行きのある味わいが口一杯に広がる。

茄子

ヒゴムラサキを使用。

こちらは天つゆでいただく。とろとろの茄子の旨味が口に流れ込む。

背後から副音声のように川坂さん(自称バイトリーダー)が登場。

「水分を逃がさないため皮が厚くなる。その真ん中を使っている」とのこと。2度、3度と揚げてこのとろとろ感を出す。桜井シェフの技が光る。

しいたけ

一つは塩で、もう一つは天つゆで。

肉厚で巨大。独り占めの幸福感。

うしお汁

鯛のアラで取った出汁に三つ葉の香り。

色をつけず、澄んだ味わい。上品で清らか。

モミジダイ(鯛の天ぷら)

一つは塩で、もう一つはうしお汁に浸して。

ふわふわの鯛が口の中で踊る。

火の通りはミディアムレア。水分をしっかり残した白身魚の魅力が際立つ。

カボチャ

上におろした栗がかかっている。秋の味覚の組み合わせは反則級。

しっとりした栗と甘いカボチャに自然と頬がゆるむ。

二つ目は塩で。甘味と塩味のバランスが見事で、酒の肴にも変わる。

大黒しめじのフライ

ウスターソースが添えられており、こちらを使っていただく。

ホクホクと肉厚。椎茸のような存在感。

ピリッと辛いソースが合う。

つぶ貝

こちらは梅肉醤油でいただく逸品。つぶ貝のコリコリの食感に、梅肉と刻みしその香りが重なる。

文句なしの相性。

レンコン

縦に切って繊維の食感を引き出している。

サクサクの衣の中にホクホクの実。OMG印の看板天ぷら。

利休茶とフィーバーツリー・ジンジャーエール

静岡県産の水出し緑茶はまろやかで優しい味。

ジンジャーエールは甘さ控えめで辛味が際立ち、天ぷらの合間に最適。

穴子

上にのっているのは刻みらっきょう。玉ねぎかと思いきや意表を突かれる。

テーマは「大人の歌舞伎揚」。旨味と洒落っ気のある逸品だ。

赤だし味噌汁

ホッとする締めの安定感。

〆のTTKG(天ぷら卵かけご飯)

特大サイズをオーダー。普通サイズと比べて白米の圧がすごい。

出汁の旨味と卵黄の濃厚さが広がり、ミョウガとネギ、かいわれのアクセントが効く。

締めとして申し分ない。

しかし、白米が多く卵が少し物足りなく感じてしまった。欲張りすぎには気を付けよう。

味変用「大人のうまい棒」見た目は味付き天かすふりかけ。

かけた瞬間、やさしい味が一瞬でピリ辛旨味に変わる。砕いたうまい棒(辛さ控えなし)の威力、侮れない。

さつまいもの天ぷらとカラピンチャのアイス・食後のほうじ茶。

ねっとりと甘いさつまいも。

カラピンチャはカレーに使われるスパイスだが、ここでは清涼感あるアイスに昇華。

天才アイス職人の仕事としか言いようがない。

▼お店の基本情報

【店名】天麩羅がとうOMG
【座席数】カウンター10席
【住所】完全非公開

茶の湯の静謐と、油の香りの高揚が共存する空間だった。
半年待っても訪れる価値がある。

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