まさに「食の芸術」、演出まで美味しいバラエティ豊かな肉と串料理がとうパラダイス 肉と串あげがとう(住所非公開)

和食

店に向かうと「がとうPARADISE」と書かれたネオンがまず目に入る。

心躍らせながら店のドアを開けると、華やかな生け花が出迎えてくれた。店内は白く清潔感のある8席のカウンターと、奥に3~6名用の個室がある。今回はカウンターを利用した。

席に着くと、この店の名物店員「ニシキゴイ」こと店長の川坂さんから店の成り立ちの説明があった。当店はコロナ渦中に少人数の会員制で食事を楽しむ空間を提供することから始まったという。にくがとうグループ自慢の肉を武器に、コンセプトごと変えながら様々な料理を展開してきたが、串揚げが好評だったことから現在のスタイルが確立されたそうだ。店長の軽快な語り口に客席からはたびたび笑顔がこぼれていた。

当店では季節ごとにテーマを変えており、今回は「日本の冬」というテーマに合わせ冬の食材を活かしたコース料理が提供された。二つ目のテーマは「牛川五右衛門」だ。にくがとうグループが焼肉店であり、牛肉を多く扱っていることから考案されたそうだ。「石川五右衛門」ならぬ「牛川五右衛門」をモチーフにした料理が提供されると伝えられ、その異色の組み合わせに思わず料理への期待が高まった。そして最後のメインテーマは店長川坂さんの通り名にもなっている「ニシキゴイ」だ。生きる芸術と称され、海外でも絶大な人気を誇る錦鯉のように、肉と串料理を日本の誇る「食の芸術」として海外に進出させたいという意気込みが込められているそうだ。また、当店ではエンターテインメントの一環として「ニシキゴイポイント」と呼ばれるパフォーマンスが展開されている。SNS映え間違いなしのパフォーマンスはぜひ写真に納めて欲しい。

「日本の冬」コース

1:伊賀忍者の里 野菜スティック

彩り豊かな備え付けのお通し野菜スティックに食欲がそそられる。シャキシャキとしており、食感まで楽しめる。麹味噌マヨをディップして頂いた。

2:鉄砲 とらふぐてっさ

ジュレポン酢とふぐ専用ネギと一緒に頂いた。爽やかなポン酢ジュレとふぐの旨みが絶妙にマッチした、淡白な味と思いきやしっかりふぐの肉汁を感じられる。

3:美味しい修行 和牛キャビアタルタル

四品目の「修行」と共に運ばれてきた。ランプ肉にキャビアがたっぷり乗っていて、見た目から贅沢な気分になれる、まさに海の幸とお肉の合わせ技といった一品だ。

4:覚悟 厚切り特上タン

厚切りの上タンはジューシーで柔らかく、その肉質に驚く事間違いなしだ。噛む度に食べきってしまうのが惜しいほどの旨味が溢れ、ずっと噛み続けたくなってしまった。

5:京の香り 聖護院かぶと自家製ゆず味噌

聖護院かぶのおでんの串揚げに、自家製のゆず味噌と柚子の皮がたっぷりと掛けられている。ゆずの彩りと香りが印象的な、日本の冬を感じられる一品だ。

6:名東京しゃぶしゃぶ 和牛サーロイン・和牛肩ロースのミルフィーユしゃぶしゃぶ

ミルフィーユ状のしゃぶしゃぶを丸ごと揚げてカツにしてある。料理長特製の黒ニンニクを使用した自家製ポン酢に漬けて食べるよう勧められた。見た目のユニークさに負けない、肉の旨味を堪能して欲しい。

7:名物和牛揚げ寿司 揚げ寿司

ここで当店名物のパフォーマンスが展開された。店長が鋭い目つきと共に、「ニシキゴイ!!!」と叫ぶ様子は圧巻で、動画映え、写真映え間違いなしだ。是非SNSにアップして欲しいとのことだが、このインパクトはぜひ目の前で体験してほしい。

迫力ある表情でパン粉を振り掛ける演出が楽しく、まさに食の芸術、エンターテインメントといった印象だ。まろやかな和牛の叩きは絶品で、たくあんとお米の組み合わせも相まって百貫食べたい!と思わせる一品。

8:休憩 シンプルサラダ50カ月熟成パルミジャーノかけ

個性豊かな料理達の小休止にふさわしいシンプルなサラダだ。しかし、その味わいは繊細で、2時間蒸した紅芋とレンコン、パルミジャーノ・レッジャーノ、その他葉野菜といったこだわりを感じさせるサラダだった。

9:串 PARADISEの鎧 海老芋濃厚ミソ

京野菜海老芋の上にカニみそを和えた一品。何も付けずそのまま食べるよう勧められた。ねっとりとした芋の食感がクセになる。

10:雲肉 和牛ランプ 雲丹のせ

雲肉(うにく)、雲丹×ランプ肉という贅沢な組み合わせに思わず心踊ること間違いなしだ。しっかり火の通ったランプ肉と雲丹の贅沢なコンビネーションを堪能して欲しい。

11:冬の恋 和牛ハツ 自家製味噌

自家製の春菊味噌は優しい甘さが印象的だ。ハツの歯ごたえが絶妙で食感、風味共に大満足の一品だ。

12:揚げがとうのお花畑 角煮白玉饅頭 魂の出汁あんかけ

うっかり火傷してしまいそうになる程アツアツの状態で食べられるのが嬉しい。もちもちの白玉もちとあんかけはペロリと食べられてしまうサイズ感だが、しっかり食べ応えもある。お花が散りばめられており、視覚的にも楽しい一品だ。

13:冬の醍醐味 とらふぐ白子

こちらも出来立てが提供されるため火傷に注意して欲しい。手元の塩をつけて食べるよう勧められた。アツアツ白子は濃厚な味わいで、白子好きは絶対に食べることをお勧めする。

14:牛川五右衛門バーガー 牛川五右衛門トリュフバーガー

ここで勧められるカウボーイヤマハイはバーガーの前後に飲んで欲しい。バーガー食前はさっぱり美味しく、食後はバーガーの油を洗い流しつつ旨味を残していく風味が印象的だ。

そして牛川五右衛門バーガーはトリュフと牛肉の風味が絶品だった。トリュフをたっぷり使用した濃厚なソースと、ジューシーな牛肉の織りなすハーモニーを堪能して欲しい。

15:エビネム エビカツとカリフラワーソース

エビの小鉢が運ばれてくると同時に聞き覚えのあるEDMが流れ、店内は笑顔に包まれた。某有名ラッパーと「エビ」を掛けたネーミングが面白い。

海老しんじょで作ったカツと濃厚でクリーミーなカリフラワーソースの相性は抜群。豆乳とカリフラワーで作っているソースは濃厚なのにしつこさがなく、エビネムのエビの部分はプリップリでエビの旨味が贅沢に溢れていた。

16:五右衛門風呂 揚げがとうのカツ丼

コースの〆は閉じないカツ丼だ。コース最後のニシキゴイポイント(映えるパフォーマンス)となっており、真っ黒なカツを差し出す店長の迫力に客席から歓声が上がった。

牛川五右衛門の五右衛門風呂をモチーフにしたカツ丼がアツアツの状態で運ばれてきた。カツはパン粉の前のパンの状態で竹炭を練りこんであり、豚はエニワロッソ北海道産の豚を使用しているそうだ。トロトロしたまろやかな卵と、企業秘密だらけだというカツの旨味が融合した絶品をぜひ味わって欲しい。

17:旅立ち 自家製串刺しモンブラン

 流血したクマの形の最中にいちごアイスが入っている。見た目のユニークさもさることながら、さっぱりとした味わいが堪らない、〆にふさわしいデザート。

日本酒

+1,100円で日本酒飲み放題のサービスがあるが、当店では名酒を取り揃えており、一杯でも元が取れると言っても過言ではない。ぜひ追加することをお勧めする。以下は今回頂いた日本酒である。

あまねこスパークリング

ほとんど出回ってないレア酒の登場に、思わずテンションが上がった。

蒼空

さっぱり甘みのある風味だった。こちらはもともと飲み放題に入っている。

楯野川

純米大吟醸しか作ってない、贅沢な日本酒。飲みやすく、料理の邪魔をしない味だった。

田酒

甘い風味が印象的で美味しかった。

メニューにない「勝手におつまみ」

1:ふぐの煮こごり

弾力が見事で、箸でつついても容易には崩れなかった。お魚の旨みがたっぷり詰まった煮こごりで、酒の肴に最適。永遠に食べていたくなるおつまみだった。

2:タンの西京漬 

低温調理したタンを西京漬にした独創的なおつまみ。食感はハムのようだが、和食テイストの味わいなのが面白い。こちらも酒の肴に最適。

編集後記

最後にキングのトランプをプレゼントされた。こちらは裏側にオーナーのインスタグラムが掲載されていて、アカウントをフォローしてキングの写真を送るとキンググループに招待されるそうだ。

「がとうパラダイス 肉と串あげがとう」はまさに「食の芸術」を体現した空間だった。和食の要素を活かしながら、上質な食材を贅沢に用いた料理のクオリティはもちろん、スタッフ達の溌剌としたトークや、迫力あるパフォーマンスに思わず虜になること間違いなしである。また、当店はリピーターが多く、会員制でありながら次回の予約は最短でも秋ごろを予定しているそうだ。

お店の基本情報

◇「がとうパラダイス 肉と串あげがとう」
住所:非公開
定休日:水曜日、木曜日
公式Instagram:https://www.instagram.com/kushiagegatou/?next=%2F

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