美食の常識を打ち砕く、新感覚うなぎ料理「SUPER SEPPUKU うながとう」

うながとう 和食

活気あふれる隠れ家うなぎ料理店

「SUPER SEPPUKU うながとう」は焼肉専門店「にくがとう」を母体としたうなぎ料理店だ。「うなぎを薪で焼く、新しい提案」をコンセプトとしており、完全紹介制の形を取っている。完全紹介制のため、住所、電話番号は完全非公開となっており、また食べログなどのグルメ系情報サイトにも掲載されていないという徹底ぶりだ(個人のSNSへの掲載は可能)。

ただ、隠れ家レストランにありがちな静かで厳格な雰囲気とは違い、店内は活気に溢れていた。また、うなぎ料理屋というと、「日本人然とした無口な大将」というイメージがあるが、スタッフは皆ハツラツとしていて、衣装も動物の皮をモチーフにしたユニークな雰囲気をまとっている。特に今回のプレゼンター、アルベルトさんはチリ出身のエネルギッシュな方で、思わずこちらも笑顔になってしまうような魅力のある方だった。

手厚い説明でコースを余すことなく楽しむ

まず使用する薪について、実際に使用されている薪を手に取って説明を受けた。まずはナラの木、こちらは火力を上げるために用いられている。次はサクラの木、こちらは香り付けに用いられている。サクラの木のかぐわしさには思わず「良い香り…!」と声が漏れるほどであった。

説明によれば、薪と炭火焼きの一番の違いは熱源にあるという。薪は炭に比べ水分量が多いため、火加減が難しい。一方で、蒸し焼き状態で焼くことが出来るため、外はパリッと中はふっくらとした焼き上がりになるそうだ。またコースではSUPER SEPPUKUタイムという写真映えする演出が用意されているそうで、現代ならではのこだわりを感じられた。

コースの説明が終わると、いきなりSUPER SEPPUKUタイムのおでましである。コールアンドレスポンスの演出も挟みながら、スタッフ一同の威勢のいい掛け声と共に愛知産のうなぎが目の前に現れた。この演出には客席一同大盛り上がりで、思わず筆者も歓声を上げてしまった。

食の固定観念を一刀両断、贅の限りを尽くした逸品の数々

香る。腹切ほうじ茶ハイ:甘みのあるほうじ茶ハイで、これまで飲んだことのない未経験の風味を楽しむことのできるほうじ茶ハイだった。

ナスの薪焼き:席の前に置いてあったナスを目の前で薪焼きにしてくれた。口の中にサクラの木の香りが上品に香る贅沢な味わいと、ふわりと軽くとろっとした食感が印象的だ。

梅大根:「梅とうなぎは食べ合わせが悪い」とよく言われているが、実は梅とうなぎの食べ合わせが悪いのではなく、昔の人がその二つのあまりの美味しさに食べすぎてお腹を壊した逸話が原因だという説明が。実際食べてみると、食べ過ぎてお腹を壊してしまうのも納得の風味があり、食べ合わせが悪いという印象が一掃された。

薪焼きのアスパラガス:出汁で煮てから薪で焼かれているため、出汁がしっかりしみ込んでいて、薪焼きならではのしっとりとした味わいが心にしみる。

真昆布と名古屋コーチンの一口ラーメン:贅沢な素材の出汁が麺にしっかりしみ込んでおり、一口で食べきってしまうのがもったいないほどの美味しさだ。

うなぎ料理:お盆に乗っているイラストに、どの部分がどのように提供されているか書いてある。

うなぎと鶏のシュウマイ:素材の組み合わせの珍しさが新しく、絶妙なハーモニーを生み出していた。昆布とマグロ節から丁寧にとられた出汁の繊細な味わいも相まった見事な一品。

うなぎの肝:普段なかなか食べることの無いうなぎの肝、一体どんな味がするのだろうかとわくわくしながら口に運んだ。食感はもっちりふわふわとしており、特製のタレと相まった濃厚な美味しさが印象的だ。

うなぎの頭:うなぎ一匹分の頭がまるごと運ばれてきて思わず驚いた。うなぎの身だけで無く、骨までバリバリと食べる初めての食感を堪能できる珍しさが面白い。うなぎの頭を骨ごと食べる経験ができるのは「うながとう」だけではないだろうか?

うなぎのカマ:カマは身の引き締まりと脂の質が良く、一匹から2つしか取ることの出来ない希少な部位である。食感はふんわりさくっとしており、上質なカマの身を最大限発揮した一品だ。

うなぎの白焼き:目の前で調理され運ばれて来るぷりぷりのうなぎに、思わず心が踊った。運ばれてきた4枚の身の、初めの2枚は何も付けずに、残りの2枚は練り山椒を付けて食べるよう勧められる。外はパリパリ中はふわふわジューシーな食感は、薪焼きでしか味わうことの出来ない新しい体験だった。練り山椒は想像よりも辛味が少なく、お味噌のようなまろやかな味わいの中の山椒のピリリとした刺激が絶妙だ。

うなぎの三浦焼き:うなぎを丸めて焼いたらどうかという発案から生まれた、うながとう完全オリジナルの一品だ。さっぱりとした見た目に加え、山形だしの爽やかさと引き締まったうなぎの風味に夏を感じること間違いなしである。

うまき:うまきとはうなぎを芯に巻いた卵焼きのことである。普通うまきは、蒲焼をはさむのが一般的だが、うながとうでは煮うなぎを挟んでいるのが独創的だ。また使用する卵はだしを限界まで足してあるためぷるんとしており、まるで茶碗蒸しにうなぎが入っているかのような食感であった。

うざく:うざくとはうなぎときゅうりの酢の物である。酢の酸味がきゅうりとうなぎの風味を見事に調和させ、独特な味わいを生み出している。

うなきゅう:SUPERうなぎタイムが始まり、賑やかな音楽と、スタッフの踊り出さんばかりのポップな演出に客席一帯が大盛り上がりだった。きゅうりのさっぱりとした風味と濃厚なうなぎの相性は抜群で、かぶりつきたくなること間違いなしだ。

「うながとう」を運営する母体である「にくがとう」のこだわりの和牛が提供される。

黒毛和牛のハツ:ハツの肉厚でもっちりとした食感にじゅわっと溢れる肉汁の味わいには思わず頬が落ちる。

黒毛和牛のヒレ:こだわり抜かれた抜かれた上質なヒレ肉を、丁寧に調理した贅沢な一品だ。和牛のジューシーな風味と舌の上で溶けるような柔らかい食感は感動ものである。

シャトーブリアン丼:サイズは小盛りで、艶やかな白米と上質なシャトーブリアンを一口で頬張ることの出来る贅沢な一品だ。少しずつ食べたくなる気持ちを抑え、米と肉を一気に頬張る背徳感と幸福感はやみつきだ。

SUPER SEPPUKU炊き込みご飯:和牛とヤングコーンとスナップエンドウ入りの炊き込みご飯だ。目の前で炊きあがる臨場感もさることながら、和洋の垣根を越えた贅沢な素材の味が全体にしみわたっている絶品炊きこみご飯である。

ピスタチオのカタラーナ:周りにかけられたストロベリーとビーツのソースで、くまの切腹を表現しているそうだ。店名にあやかったデザインの発想がユニークで、大変芸術点の高いデザートだった。味も1200点満点の美味しさである。

コーヒーの味を移したほうじ茶:デザートとの相性が抜群で、コーヒーの香りとほうじ茶の風味が忘れられないドリンクだった。

日本酒:料理やメニューに合わせた様々な日本酒が提供される。

編集後記

うなぎ料理屋の固定観念を一刀両断する、何もかもが新しい体験だった。料理体験を一新する、活気あふれた刺激的な空間で、こだわりぬかれた食材の数々をぜひ堪能して頂きたい。

お店の情報

「SUPER SEPPUKU うながとう」は完全紹介制のため、店に直接アクセスすることはできなくなっている。そのため、ホームページに記載の中の招待待ちへインスタフォローと公式ラインのどちらかの登録が必要だ。また「SUPER SEPPUKU うながとう」を運営する「にくがとう」グループのこだわりやその他会員制の店について知りたい場合はクラウドファンディングの焼肉や鮨などの記事を確認して欲しい。また、現在予約困難となっており、次回の予約は最短で来年2024年1月とのことだった。

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